MARUI M870 TACTICAL (가스식 샷건)
実銃のM870は米国レミントン社が開発したショットガン(散弾銃)だ。M31の後継モデルとして1950年代に開発されたM870は狩猟用のみならず、多くの警察にも採用され、様々なバリエーションモデルが存在する。
東京マルイ ガスガン M870タクティカル スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||
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これまで東京マルイではエアコッキング方式のショットガンシリーズを発売している。
1998年4月にスパス12を発売、1999年4月にはM3スーパー90、2001年6月にはM3ショーティーを発売。
また現在ではすでに生産終了となっているが、かつて外見がグレネードランチャータイプでショットシェル型マガジンを共用するM203シリーズもラインアップしていた。
そして今回ショットガンの代表格ともいえるM870が遂に発売。レミントンM870のエクスプレス・タクティカルというシリーズをモデルアップしたという。しかもパワーソースはこれまでのエアコキではなく、ガス式のショットガンという東京マルイ新ジャンルということだから、これは否が応でも期待が高まる。
それでは早速商品を見ていこう。
黒を基調としたパッケージ。サイズは100.8cm×26.5cm×9.7cm。
パッケージ内容は本体+ガスタンク、ショットシェル型マガジン1個、保護キャップ、チャージャー、チャージングロッド、クリーニングロッド、取説とBB弾少々。
レシーバー左側面にはMODEL 870 TACTICALとシリアルナンバーの刻印。レシーバーは亜鉛ダイキャスト製でこれまでのエアコキショットガンとはことなる上質な雰囲気がある。
レシーバー右側面には実銃ならばショットシェルが排出される大きなイジェクションポートがある。
剛性感はレシーバーとストック部分はかなりガッチリとしているが、レシーバーとバレルの接続部分がやや左右にグラつく。フォアエンド操作で気になるほどではないが、せっかくの新作だけにもう少しカッチリとした剛性は出せなかったのだろうか?
フォアエンドを引ききるとエジェクションポートが少し後退し、3発/6発発射切り替えスイッチが現れる。前にスライドさせれば6発発射、その逆は3発発射となる。ほんの少しだけのスライド量で切り替えているのが凄い。なお、M870タクティカルは固定ホップアップなのでホップ調整はできない。
アウターバレル内部には3本のインナーバレルが組み込まれており、この3本のバレルから同時に6mmBB弾を発射する仕組み。
6発発射時は1本のバレルから2発のBB弾を発射する。
これはダブルホップアップチャンバーパッキンを採用する新機構だ。
フォアエンドを前後に操作する"ポンプアクション"はショットガンの醍醐味といえる。
パワーソースがガスになったことで従来のエアコキとは比較にならないほどのリアルで軽くスムーズな操作が可能になった。
ジャキコシャンッ! とアクション映画か刑事ドラマよろしくポンプアクションができるのは堪らない。
フォアエンドを引いて弾がチャンバーに装填されると前進位置でロックがかかる2度引き防止機構が組み込まれている。
しかし、このフォアエンド、気になることもあって、ひとつがそのストローク量が実銃よりも短いということ。もう一つはフォアエンドの初動が軽すぎて不意に後退してしまうこと。例えば床にストックをトンと立てただけでフォアエンドが後退してしまうこともある。この辺はショットガンの醍醐味なだけにもう少し煮詰めてもらいたかった。
フロントサイト。ショットガンのサイトというとビードと呼ばれる丸い米粒大のフロントサイトをイメージするが、これはかなり豪華なフロントサイトだ。ホワイトドットが埋め込まれており、サイトピクチャーは良好。
12Gの散弾を撃ち出すショットガンらしい太いアウターバレルも迫力ものだ。
レシーバー上部にはドットサイトなどを搭載可能なマウントレールが装備される。
レールの幅は21mm、ピッチは10mm、溝の深さは2.7mm前後と若干溝が浅いがピカティニー規格準拠といったところか。
レール後部にはXSゴーストリングサイトのリアサイトがある。ベース部のネジで左右の調節、サイトリング自体を回せば上下の調節が可能。このリアサイトはマイナスネジで取り外すこともできる。
なお、3本のネジを抜けばマウントレールごと取り外すこともできる。ベーシックスタイルのショットガンが好きな方もいるだろう。ネジ基部の突起がなかったらもっと良かったかも。
マウントレールにドットサイトを搭載してみる。ショットガンには素早く狙えるオープンタイプのドットサイトが似合う。ドットサイトの種類にもよるが、こればリアサイトを取り外して装着した例。
トリガーはやや重めだがストロークが短く、シアの落ちる感覚は電動ガンにはないもの。
このトリガーを引きながらポンプアクションをすることで連続して素早く発射できる"ラピッドファイア"も可能。
トリガーガードの後ろにはボタン式のセフティがある。右側から押し込んで左に赤い印が出ていれば射撃でき左から押し込むとトリガーがロックされる。
リアルな形状のストック。細かいシボ加工が施されており質感が高い。
実銃から採寸したと歌っているだけあり、細身のグリップの握り心地は最高だ。
バットプレート部分はゴム製。ストック下部とチューブマガジンキャップにスリングスイベルがある。
今回はタナカのワンタッチ・スイベルを取り付けてスリングベルトを使用することにした。
バットプレートの両側面を押しながら取り外し、ストックの中へガスタンクを装着する。
ガスタンクは大型の別体式で、あらかじめガスをリキッドチャージしたものをストック内にセットする。
ストック内蔵式タンクに比べてガスが冷えたり、なくなった時に手早く交換できるのが良い。
ストックのロックボタンで脱着できるが、タンクにガスが入ったままだと、銃本体側に蓄えられたガスがブシュッと大きな音を立てて放出される。
別体式のガスタンク。
空の状態で486gとそこそこ重い。
ガスフル充填で535gになったので約50gものガスが注入できる。
1回のフル充填で何回空撃ちできるか試してみたが、100回以上は楽勝で撃てた。ただし1秒間隔で撃っているとかなりタンクが冷えた状態になり、初速は40m/sくらいまで低下していた。ま、そんな撃ち方は普通はしないと思うけど。
トリガーガード前のマガジンリリースレバーを押すとキャリアと呼ばれる蓋が開く。
その中へショットシェルタイプのマガジンを入れる。
本来のショットガンはここから複数のショットシェルをバレル下のチューブマガジンに押し込むのだが、マルイのショットガンはレシーバー内に1発のみセットする。
ショットシェル形状のマガジン。
M870タクティカル本体には新色の白いシェルが1発付属する。
従来の赤いショットシェルも使用可能。
この中に30発の6mmBB弾を装填できる。しかし、両方とも実際には29発しか装填できなかった。
チューブマガジンのエンドキャップを外せばチューブ内に2発分のシェル型マガジンを収納できる。
ただ、エンドキャップの取り外しは結構固く、ネジをかなり回さないといけないので戦闘中のマガジン交換の実用性は無いだろう。
シェルマガジンを入れていない状態ではこのチューブ内のスプリングとフォロアーがカラカラと音を立てるので、気になる場合は詰め物として入れておくくらいか。
シェル型マガジンを装填しての実測重量は2,755g。実銃よりは軽く、しかもストック内にタンクがあるので重心が中央寄り。構えるのも楽だ。
実銃は3kg以上ある上にフロントヘビーで構えながらフォアエンドを操作するのが結構大変だったりする。
さて、実射。BB弾は東京マルイ製のベアリングバイオ0.2gを使用。この日は気温が40度近い猛暑日でガス圧もMAX。ガスタンクをセットすると圧力安全弁が作動したのか、しゅうぅぅぅと、レシーバー内からガス漏れの音がする。2,3発ほど空撃ちすると圧力が弱まって音はしなくなった。
まずはマガジンを本体にセットして3発モードで撃つ。固定ホップアップながら綺麗な弾道を描いて3発のBB弾がすうっと伸びるように飛んでいく。感覚的には40m以上は飛んでいる感じだ。
ごくまれにあらぬ方向へ飛ぶBB弾もあるが、3発がほとんど同じ所へ飛んでいく。初速は室温で80m/s前後と十分。初速測定は単発でも3発でもほぼ同じだった。
エアコキのショットガンでも同様だが、サバゲーで意外にこの3発同時発射にやられることが多いんだよね。
続いて6発発射モードに切り替えて撃ってみる。モード切替にはフォアエンドを1回引かなくてはならない。マガジン装填時のスイッチ切り替え直後の射撃は前のモードの状態になる。つまり3発から6発に切り替え直後は3発しか発試射されない。
で、6発モードだがなぜか5発しか発射されない。あれれ?
何度撃っても5発のみ発射。目の錯覚かと思ってタオルに撃ってBB弾を数えるもやはり5発しかない。
ネットで調べると同様の現象のユーザーもいるみたい。原因は不明だが3発、6発切り替えの同時発射というのがセールスポイントなだけにこれは残念。まあ、5発同時発射で6回撃てるというのもアリかもしれないけど...。なお手持ちのショットシェルはどれも29発しか入らないので、最後の射撃は4発発射になる。
6発(5発)モード時の弾道はやや放物線を描いてBB弾が飛んでいく。射程は30mちょっとか。初速も少し落ちている感じだ。
3発モード時よりBB弾は散る傾向にあり、いかにもショットガンらしい弾道ともいえる。サバゲーの面制圧時には有効そうだ。
個人的にはアウトドアでは3発モード、インドアでは6発モードが使えそう。
やはりショットガンは複数同時発射が面白い。
総評としては今までのエアコキショットガンからの進化は感じ取れるが、肝心の6発発射できないとか、細かい部分でもう少し完成度が欲しいところではある。
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